以前、
苦手な香りが好きになった時は
というタイトルでブログを書いた。
あの時のテーマはゼラニウムだった。
香り、とはほんとうに不思議なもの。
その香りをかいだだけで、待ったなしで、記憶を呼び覚ます。
それはとても個人的で、ひそやかな感覚だ。
今、私がよく手にとるのは、
ピースアンドカーミングⅡ
というブレンドオイル。
比較的人気のオイルだと思うのだけれど、私はずっとこの香りが苦手だった。
ピースアンドカーミングと、ピースアンドカーミングⅡ、どちらも、嗅ぐとどことなく胸がもやもやするような感覚があった。
やすらぎと静けさ、という名のオイル…
私には無縁の感覚なのかと思うと、すこし悲しかった。
瞑想をするときに、私はよく、その時にふと気になった香りを嗅ぐ。
手のひらに馴染ませて深く香りを吸い込む、カッピングというやりかたで、香りに包まれるように瞑想にはいってゆく。
もちろん、その時に嗅ぐ香りは、絶対に絶対に好きな香りでなければ。
だから、このオイルをあえて選ぶようなことは決してなかった。
そんなわけなので、なぜそうしようと思ったのかはわからない。
けれどある日、猛烈にこの香りを嗅ぎたい衝動に駆られ…
びんを手に取って、その香りを深く吸い込んだときに感じたのは、圧倒的な
なつかしさ
だった。
不意に、インドを想った。
2019年の春から夏にかけて、旅の記憶を文字にとどめておきたいと思い、何度もブログを書きかけた。
でも、なぜか書けなかった。
言語化するには、私は(私の語彙力、表現力、すべてが)あまりに無力だと思った。
でも、その香りに包まれたとき、言葉にできない想いを素直に受容できたし、矛盾しているようだけど、いつか言語化できる時がくるだろうとも思えた。
過去の記憶は、ドライフラワーのよう。
かつて鮮やかだった色は褪せて、不用意に触れれば砕けてしまう。
インドのナーランダ仏教大学跡
公園のようになっている歩道を抜けて、遺跡に足を踏み入れた途端に号泣していた。
それはあまりにも突然来たので、激しく嗚咽しながらようやく、自分が泣いていることに気づいたくらいだった。
私の魂の旅を、きっと私よりもよく知っている百合子先生が、いつのまにか隣にいて、
ここに、いたのね
と言った。
私はうなずきながら、吐くように泣き続けるしかできなかった。
その記憶は、ずっと抜けない棘のように、意識の深いところに埋まっていたのだろう。
あの場所に行けた私は幸運だった。
私はあの場所を知っている。
自分とは、人間とは、生とは、死とは
深く思索し、師に学び、仲間と議論を戦わせた、輝いた場所として。
そして、
放たれた火がすべてを飲み込み、書物も人も、叡智も燃やしてゆく。
すべてが失われる、その時の胸の痛み、絶望的な瞬間を知っている。
すでに失われた場所ではなく、今まさに失われようとしている場所として。
この、ピースアンドカーミングの香りが、旅のあと、1年以上の時を経て、新しい気づきをくれた。
これからだって、折にふれて、古く新しい記憶がよみがえってくるだろう。
1年なんてあっという間だ。
過ぎた時の長さを想えば。
そして、それすらも一瞬だ。
1000年も、10000年も。
ピースアンドカーミングⅡ
タンジェリン/オレンジ/イランイラン/パチュリ/ブラックスプルース/ジャーマンカモミール/ベチバー/シスタス/ベルガモット/カッシア/ダヴァナ
【参考】ピースアンドカーミング
タンジェリン/オレンジ/イランイラン/パチュリ/ブルータンジー
今となってはどちらも好きだけど、Ⅱのほうが私に響いた理由もなんとなくわかる気がするな。
*ヤング・リヴィングについて
高品質・セラピーグレードのエッセンシャルオイルのメーカーです。
Seed to Seal
…種からラベリングまで、もっと言えば栽培の土壌まで、厳しく管理をしています。
オーガニックの基準を超える自社基準をクリアして生まれた精油たちです。
紹介販売制をとっているため、購入には会員の紹介が必要です。
*ディストリビューターとしての私について
ガッツリビジネスというより、香りオタクの人とつながりたいと思っています。
私には、ヤングリヴィングの精油がドンピシャでした。
同じ感覚を持つ人とわちゃわちゃしたい(笑)
香りで魂(たま)遊びしたい人に来てほしい。
NO OIL, NO LIFE!!!!!